有機金属化学
高配位14族元素化合物の創製と応用に関する研究
生命を創造する重要な元素である炭素と同族元素である高周期14族元素のケイ素やゲルマニウムは、超原子価状態という炭素とは異なる特別な電子状態を容易にとり得る元素です。当研究室ではこの性質を利用して新しい高配位ケイ素化合物やゲルマニウム化合物を合成し、リチウム電池やキャパシタなどの高機能電解質への応用を通して、環境問題や新しいエネルギー問題解決へ向けて取り組んでいます。
ポリシランを利用した新しいドナー・アクセプター系材料の開発
ポリシランとはケイ素−ケイ素結合でできた高分子化合物です。ケイ素−ケイ素結合は単結合(σ結合)でありながら、炭素=炭素の二重結合(π結合)に匹敵するエネルギー準位を有することや、ケイ素−ケイ素結合を通したσ共役を示すことなど、その高エネルギー準位に着目した研究が多くなされています。当研究室では、そのような高いエネルギー準位を有するポリシランを電子供与体(ドナー)、フラーレンなどを電子受容体(アクセプター)として組み合わせることにより、全く新しいドナー・アクセプター系の構築を目指して研究を進めています。